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尾道
ぶらり尾道探検隊|



6年間に渡って取材した尾道の情報アーカイブです。情報が古いものもありますが、まだまだ使える情報が盛りだくさん。まずは読んでみてね。

2007年2月号:Vol43
祝!千光寺山ロープウェイ開通50周年


1957(昭和32)年・・・。
今から50年前、日本発の南極越冬隊が南極大陸へ初めて上陸し、100円硬貨が発行されました。高度経済成長を迎えた日本は「もはや戦後は終わった」という風潮が広がり、イケイケモードに突入し始めたそんな頃。
そんな活況の波はここ尾道にも押し寄せ、この年の3月26日、「千光寺山ロープウェイ」が産声を上げたのでした。

それから半世紀。
今では「ロープウェイ」がある風景は、尾道から切っても切り離せないくらい皆さんに親しまれ、現在までに約1200万人ものお客様を運び続けました。
今回の「ぶらり」はこのまもなく50周年を迎える「千光寺山ロープウェイ」を秘蔵写真を中心にお届けします。

これはロープウェイのラインを支えている鉄柱の工事中の風景です。
周りは木の足場で囲ってありますが、そろそろ完成間近のようですね。
ふもとの商店街付近にはまだ瓦屋根の建物がたくさん見えます。

次の1枚。
これはロープウェイが開通して間もないころの「山ろく駅」付近の写真です。
いたるところに「祝ロープウェイ開通」の横断幕やバナーなどで飾られています。
この頃は周りにもたくさんの商店があったようで、看板を見るだけでも楽しいですね。

さて、次の写真です。
これもおそらく同時期の「山頂駅」の写真です。
ゴンドラや階段付近にはたくさんの人・人・人。かなりのお客様が乗車している様子が分かります。
また当時の人のファッションなども見て取れますね。

これはその「山頂駅」のチケット売場と屋上の展望台の様子。
ちょうちんや万国旗で飾られています。
展望台のお客さんは同じ方向を見ているので、ロープウェイが発車する様子でも見ているのでしょうか。
少し見えにくいですが、駅の隣には今ではない売店があったみたいですね。

これはチケット売場の様子。
売場の上に書かれているチケットの値段は
《大人》
片道 40円(現在280円) 往復 70円(〃440円)
《子供》
片道 25円(〃140円) 往復 45円(〃220円)
現在の約1/5〜1/7くらいの値段だったようですね。
営業時間は8:30〜16:30まで。不定期は7:00から出発していたようです。

こちらは年代は分からないのですが、乗車チケットです。
手書きの暖かい味わいがあって、こういうのも今では逆に新鮮でいいですね。
ちなみに裏側は簡単な尾道のマップが描かれています。

これは当時の運転室の模様です。
駅員さんみたいな帽子をかぶっていて、なんだかかっこいいですね。
計器類や黒電話などは当時の雰囲気が出ています。
出発進行〜!

この写真は空中ですれ違う瞬間に撮られたロープウェイの写真。
今と同じ「かもめ」号と書かれています。撮影側は「さくら」号。
まだこの頃は尾道大橋が出来てなく、対岸の向島まで船を使って海を渡っていたのです。
それがまさか50年後、四国まで橋が繋がり車で渡れるようになるとは思ってもみなかったでしょうね。

今度は千光寺の鐘楼で撮られた写真を発見。
高校生ぽい男の人がロープウェイを見ながらたそがれているようです。
いかにもまじめな学生さんって感じですね。
「これは自分だ」って人が見つかったら話の一つでも聞いてみたい気がします。

これは1966年、「文学のこみち」が整備され間もない頃の写真のようです。
有名な林芙美子の「放浪記」の石碑もまだ新しいですね。
街並みにもまだ高い建物などはあまり見受けられませんが、右端の海側には現在の市役所が見えます。

で、これが現在の写真。
まだまだ昔の街並みが残っていると言われる尾道でも、結構変わったもんですね。
その移り変わっていく時代を50年間もずっと見守ってきたロープウェイ。
でも時代は変わっても、それに乗っているお客さんのわくわく感や喜びなどは今でも共通の思いなのかもしれません。
今日もロープウェイはお客さんを乗せ、いつもと変わることなくしばしの空中散歩へいざなっているのでした。
【お知らせ】
千光寺山ロープウェイ50周年特別割引について
ロープウェイ開業50周年を迎える2007年3月26日(月)、皆様への感謝として運賃が半額となります。
詳しくはこちらまで。
お問合せ先:尾道市観光文化課 0848−25−7184