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尾道
ぶらり尾道探検隊|



6年間に渡って取材した尾道の情報アーカイブです。情報が古いものもありますが、まだまだ使える情報が盛りだくさん。まずは読んでみてね。

2005年2月号:Vol.32
不定期連載 尾道七佛めぐり その5
天寧寺(てんねいじ)

日差しも少しずつ柔らかくなり、春の足音がすぐそこまで近づいてきました。
ということで、今回は「七佛めぐり」の中でも花が多いお寺として有名な「天寧寺(てんねいじ)」をぶらりとしてきました。
このお寺はJR尾道駅から東へ約1km、ロープウェイの山麓駅から徒歩2分の距離にあります。
よく尾道の代表的な風景として登場する「三重塔」があるお寺、といえば分かりやすいでしょうか。
JR尾道駅からだと東行きのバスで3つ目の「長江口」で下車すると便利。あっという間に天寧寺に到着です。

【では、お寺に入ってみましょう】
国道2号線から石段を登り、門を抜けるとりっぱなソテツが目に飛び込んできます。詳しい樹齢は分かりませんでしたが、そうとう古そうです。

樹皮はボコボコとしていてウロコのよう。その姿はまるで何本も絡まった龍の首のようで、今にも動き出しそうな勢い。
動いてない・・・よね?
そのソテツの間をそーっと通り抜け、まず本堂に参拝。

【本堂に入ってみた!】
中に入ると黒光りした床や柱に圧倒されます。
正面には本尊様が静かに鎮座していて、その両脇には襖絵と獅子の像が本尊を守るように睨みを利かせています。

そうそう、このお寺は市内でも珍しい曹洞宗(そうとうしゅう)のお寺なんです。
曹洞宗は禅が特徴的で、この天寧寺でも毎週火・木(6:00〜)、日(7:00〜)に禅座会が開かれており、一般の方も自由に参加できます。
参加してみたいけど禅がよく分からないって人はこちらを参考にしてみてくださいね。
http://www.sotozen-net.or.jp/(曹洞宗HP)

また本堂の入り口の左側にある賓頭盧(びんずる)という仏様がいて、頭や手足、胴などいたるところがピカピカと光っています。
なぜかというと、自分の調子の悪い部分と同じところを撫でることにより治ると信じられていて、みんなに撫でられているからだそうです。
担当Dも取材ついでに撫でてきましたよ、頭を…。
念を入れながらしっかり撫でてきました。 キュキュキュ×10
これでばっちり!というわけで、次行ってみよ〜

【圧巻!羅漢堂(らかんどう)】
次は本堂の脇にある羅漢堂です。

この中には五百羅漢が天井のほうまでびっしり並んでいます。実際には全部で526体もあります。
ちなみに羅漢とは「人々から供養を受けるに値する、悟りを得た人」ということらしいです。偉い方たちなのです。
それぞれ顔が違うので、中には自分や家族、友達に似た像を探してみるのも楽しいですよ。
一通り見学したあとは境内を出て少しこみちを上ってみましょう。

【尾道の風景・三重塔】
そこには三重塔が市内を見下ろすように建てられています。
この塔、立てられた当時は五重塔でしたが、4層、5層部分が傷んだため、現在の三重塔に改築されたようです。

それでも巧みに木を組み合した梁(はり)は見事なもので、思わずため息が出そう。長年の風雨に耐えてきただけのことはあります。
そこからもう少し登った塔を見下ろす場所に来ると、尾道水道や尾道大橋を一望することができます。
ここは尾道に来たときに一度は行っておきたいイチオシのビューポイント。
尾道らしい風景が目の前に広がります。

【花の寺としても有名なのだ!】
あと、このお寺は花がたくさん咲くお寺として有名です。
春になると高さ5mほどもある「しだれ桜」や「ハクモクレン」、その後には赤やピンク、白など数百株の「ボタン」が一面に咲き誇ります。
別名「ボタン寺」とも呼ばれるゆえんです。

その光景は極楽浄土というにふさわしく、日ごろの喧騒や病気なんかも吹っ飛んでしまいそう。
この春、尾道に来た際にはぜひ天寧寺まで足を伸ばしてみてくださいね。
【天寧寺・データ】
宗 派: 曹洞宗
開山、創建: 1367年(貞治6年) 普明国師の開山
本 尊: 釈迦牟尼仏
寺 宝: 三重塔(国重文)、五百羅漢、宝冠の釈迦如来
拝観時間: 毎日8:00〜17:00
拝観料: 無 料
問合せ先: 天寧寺 0848−22−2078