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尾道
ぶらり尾道探検隊|
6年間に渡って取材した尾道の情報アーカイブです。情報が古いものもありますが、まだまだ使える情報が盛りだくさん。まずは読んでみてね。
2004年9月号:Vol.27
七佛めぐり特集!浄土寺です。
不定期連載・七佛めぐりシリーズ 国宝・重要文化財 浄土寺
台風が通り過ぎ、日差しも少しずつやさしくなってきました。
長かった夏にもそろそろお別れのようです。
今月は国宝・重文のお寺『浄土寺』をぶらりしてきました。
JR尾道駅より国道沿いを東へ約2km、対岸の向島(むかいしま)へと架かる大橋を目前に望む場所に『浄土寺』はあります。
その浄土寺の境内にそびえる朱色の多宝塔は国宝にも指定されており、凛とした姿はお寺の、そして尾道のシンボルとして皆さんに愛されています。
【まずは簡単なお寺の由緒から】
浄土寺は今から約1400年も前の616年、聖徳太子の開基と伝えられています。
尾道は中世の昔から交通・経済・軍事の中心として栄えており、この地方の民衆の信仰の中心は「浄土寺」でした。
そのため公家・武家などがこのお寺に周辺地方の地頭職(〔じとうしき〕地頭としての権利)を寄進するなど、あらゆる手を尽くし味方に加えようとしました。
その中でも特に有名なのが室町幕府の初代将軍として知られる足利尊氏。
1336年には太平記でもおなじみの「湊川の決戦」を前に1万巻の観音経を読んで戦勝を祈願し、その戦いに勝利したことはあまりにも有名です。
その後は信仰の中心が徐々に支配者階級から民衆へと変化していき、現在では「必勝祈願のお寺」として多くの人々に厚く信仰され続けています。
【さっそく境内に入ってみましょう】
朱色に彩られた威厳のある門をくぐります。その門には丸に漢字の「二」の字のような紋が入っています。
じつはこれ、あの足利家の家紋「二ツ引両」で、そのほかにも足利尊氏の墓と伝えられる石造りの塔や、肖像画などがあることからもこのお寺が足利氏ゆかりの寺であることが分かります。
門をくぐり、境内を見渡すと朱色の本堂や多宝塔、金堂など堂々とした構えでたたずんでいます。その姿は見るものにこれまでの歴史の深さを語りかけているようです。
この浄土寺、珍しいことに境内ほぼすべてが国宝として指定されているのです。これは全国で2例目だそう。 境内にいるだけでなんだかありがたい気持ちになるのは担当Dだけでないはず。
【境内をぐるっと一周してみましょう】
このお寺で目に付くのが子供に関するお堂やお地蔵さん。なんでも安産祈願が有名だそうで、たくさんの妊婦さんが訪れるそうです。
それからなんとここにはラドンを含んだお水「観音霊水」が湧いています。この水を飲むと健康になるそうで、ペットボトルに汲んでもって帰っている人もちらほら。
皆さんもこのありがたいお水を飲んでみては?
●他に変わったものはないかと探してみると…。
ありました!「願かけ石」。この石は江戸時代の横綱「陣幕久五郎」が奉納したもので、上の丸い部分をまわすことができると願いがかなうそうです。さっそく担当D、挑戦です!
「んご〜!!」かなり重い。こりゃ気合を入れないと無理なようです。
「んごごご〜!!」気持ち動いたかな・・・。
もう一度。「どりゃぁ〜〜〜!!はぁはぁはぁ…。」
1/4回転ほどしたんですけど、かなり重いです。血管切れそうです。
あとの仕事に差し支えそうなのでこの辺で止めとこう・・・。(よいこの皆さんはあんまり無理しないように)女性ならは二人くらいで回すのがよいかと。
【それからそれから〜】
そのほかウグイスばりの廊下を「キュッキュ」と歩きながら庭園を内観したり、宝物館でお宝を鑑賞するのもおすすめです。〔どちらも有料〕
奥の院もあるのですが、それはまた別の機会に。
あと、めったに見ることのできない寺宝を見ることができる「尾道七佛めぐり寺宝展」、「源氏物語絵扇面散屏風」などを見ることができる「おのみち・源氏絵まつり」、も近日開催されるのでこの機会に浄土寺までちょっと足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
【尾道七佛めぐり・寺宝展】
日にち:10月23日(土)〜11月14日(日)
内容:めったに見られない寺宝を公開します。
【尾道・源氏絵まつり】
日にち:10月24日(日)〜10月31日(日)
内容:浄土寺寺宝の「源氏物語絵扇面散屏風」の公開や茶会などが開催されます。
【灯りまつり】
日にち:11月5日(金)・6日(土)17:00〜20:30
内容:「七佛めぐり」のお寺の参道をろうそくの明かりでライトアップし、幻想的な雰囲気で包み込みます。
●浄土寺データ
宗 派: 真言宗泉涌寺大本山
開山・創建: 616年 聖徳太子創建
本 尊: 十一面観世音菩薩(身代わり観音)
寺 宝: 金堂(国宝)、多宝塔(国宝)、聖徳太子像(国重文)、足利尊氏肖像画(市重文)
拝観時間: 毎日8:00〜17:00
拝観料: 無料(庭園内観500円、宝物館400円)
住所: 〒722−0043 尾道市東久保町20-28
問い合わせ先: 浄土寺 0848−37−2361
アクセス: JR利用の場合… JR尾道駅より東行きバスで「浄土寺下」下車 約10分。
車の場合… 市役所付近の駐車場へ駐車。 徒歩約10分。